いよいよ俺達「ゴロゴロゴロンズ」感動の初LIVE(本編)に突入するところだが。
今回は俺(ニッキ)が、これまでに加入しては脱退してきた、最悪のバンドを3つ紹介したい。

この話は大昔に一平くんに少し話したくらいで、それからは俺の黒歴史として誰にも語ることなく今日という日まできたが、俺がアカメアマガエルニッキの前。その軌跡をここに綴りたい。

第一章  俺とギター

俺は中学生の時にボーカル(ジュンスカのコピー)としてバンドに参加してたが、その頃のバンドなんて、だいたい勉強もスポーツも出来ない不良がバンドするみたいな、そんなノリ。
もちろん中学卒業と共に活動なんてしなくなる。
そして俺は1匹で弾けなかったギターを少しづつ先輩に教えてもらい。次はギタリストとしてバンドをしたいと思っていた。
ちなみに、その時に先輩に貰ったギターが現在も使っている、あの黒のストラトになる。IMG_6324

そして俺はしばらく1匹で多重録音とかでドラムを打ち込み、ベースを弾き、ギターを弾き、歌を歌い、コーラスを入れる。こんな誰の為かも分からない作業を何年か続ける。(しかも誰も知らないオリジナル曲w)

そして、いつしか「誰かとしてみたいな…」
こんな風に思う様になってきたので、思い切って

「当方ギター!ギター以外の全パート募集!

ピストルズ・クラッシュ・ダムド・ラモーンズ・ブルーハーツ等好き。でも色んな音楽もしてみたいです!!」

こんな、ありふれたメンバー募集のビラを楽器店に貼っていく。そこで出会った珍獣共を今日は紹介したい。ヨロシク( ´-ω-)σ

第二章   偽長渕

ビラを張って数日。
1人の男性から電話がかかってきた。
電話の内容は
「ビラを見た、ボーカルをしたい。」
そんな内容だったが、話を聞いていると、どうも長渕剛のファンらしい…。
俺は長渕のコピーを断固として拒否。そして奴が持ち掛けてきた案は「ビートルズをしないか?」というものだった。
俺は考える…ビートルズかぁ。まぁロックンロールもしてるしな。その辺りならやってもいいか。そんな風に思っていたが偽長渕からの提案は「ビートルズのGIRLをコピーしよう!2人共アコギで!」
そして、俺はまた考える。アコギで…2匹…。

柚?

まぁ、誰かと音を出してみたいという気持ちもあり、アコギでビートルズ、しかもGIRLという案に俺は乗っかることにした。
そして待ち合わせは河川敷。2匹でアコギならスタジオを借りるまでもないと思った俺は河川敷での練習を持ち掛ける。

〜そして練習当日〜

奴は盗っ人の様な少し浅めの黒いニット帽姿で現れた。そして俺達は適当な場所でギターを取り出す。
「じゃしてみましょっか?俺がリードですよね?」(ちなみにGIRLのリードはクソつまらない)
俺はパートの確認をして演奏を始めようとするとすると

偽長渕「ちょ、ちょっと待って!!
                   えーと……えーと……。」
何やらモタモタしている。

偽長渕「どうだっけ??」

ニッキ「ん?Cmですよ?」

偽長渕「えーと…えーと…Cmてどうだっけ?」

ぁああああん?(ꐦ°᷄д°᷅)

まさかのアコギはアクセサリーで全く弾けないという偽長渕。
この為、2人でのアコギ計画は断念。
じゃ歌だけ歌えということで、後日
THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」と
Hi-standardの「Sunshinebaby」のコピーを打ち込みドラムですることに。

〜そして練習当日(2回目)〜

俺と偽長渕はスタジオを予約して、練習することに

ニッキ「じゃSunshinebabyやりますか?」

俺はリズムマシンの再生ボタンを押す
カウントが4回鳴り
俺のギターが始まる。

そして、偽長渕の歌が始まる。

……話にならない。
ネットリと歌い上げる様は河村隆一を子犬にした様な、どうにも手の施しようがない仕上がりだった。

━━━完全に貧乏クジだ。

気を取り直して「リンダリンダ」を歌わせてみる。歌では無理だと思った俺はアクションでどうにかならないかと考察。

「ちょっと動きながら歌ってみますか?」
と、提案。
すると偽長渕は「それもそうだね!」と訳の分からない返事をして。それに望むのだが…

「どぉ〜ぶね〜ずみ…」
と、あのワンコーラスを歌い

例の
「リンダリンダ〜!!」
に入った時に、大ジャンプ!!!!

ボコッ!!

……天井から吊られたスピーカーに頭部を強打で着地と同時にコンパクトにうずくまるという、とんだポンコツっぷりを披露…。

俺は、もう笑えなかった。
隣のスタジオからは他のバンドの軽快な音楽が聞こえてくるのに、俺の前に広がる世界は、無情に鳴り続けるエイトビートと、目の前でうずくまるポンコツ。
そして、俺は偽長渕に告げる
「ベース練習してください。」

「いや、歌いたいんだよね…」
と、偽長渕。

「その歌唱力でボーカル無理でしょ」
ここはハッキリと告げてやる俺。

「いや、ベースは……」

言葉に詰まる偽長渕に俺は
「ベースしないなら俺はしないですよ。
       ベースする気になったら連絡ください。」

そして、現在でも偽長渕からは連絡が無い。


第二章   デスとメタル

偽長渕を振り切ってから数日後。
また一本の電話。次は女性であった。

「こちらはベース(女)とボーカル(男)です。
     良ければ一度会いませんか?」

━━ふむふむ。次はいっぺんに2匹か…。
これは手間がはぶけた。
俺はノリノリで待ち合わせの喫茶店まで足を運ぶ。

そこにはデブで器量の悪い女が、岩の様に座っており、その横にはペットか何かの様に座る男。

「どーも、こんばんは。」
俺は小さく会釈しながら挨拶する。

「こんばんは!」
器量の悪い女と、そのペットが挨拶してきた。

俺達はコーヒーを注文して、さっそく本題に入る。まず自分の年齢や好きな音楽の話。
話を聞いていると どうやら、この女とペットもずっとメンバーに恵まれないらしい。
しかも俺は「パンク」での募集なのに、女とペットは「デスメタの信者」だと言う。

うーん。これには困った。
俺はメタルとかは全然分かんなくて、どうにも向こうが言う「デス声」だとか「16ビート」だとかが、いまいちピンと来ない。

「まぁ、今度スタジオ入りますか?その前に俺がデスメタを聴いてみて興味あったらですが」

という条件で俺達はその日の話を終えた。
そして、駐車場でそれぞれの車に乗ろうとした時である。

例の岩女がペットを呼び出した。
そして「ニッキくん!」と俺を呼び止める。
俺は何が始まるのか分からなかったが、岩女から提案が入る。

「デス声聞いてみる?知らないんでしょ?」
と、岩女。

それに俺は
「あー、、聞いてみたいですね。」

岩女はペットに向かって
「ちょっと、してあげて。」
と、命令すると、ペットは今までより幾らか
キリリとした顔つきになって、駐車場の真ん中で

ァ"ア"ア"ア"ア"ーー!!



いやいやいや!

シ━━━ッd(ºεº;)!!

なんだコイツらは!!気でも狂ったか!!
俺は初めてのデス声を駐車場で聞かされるという、もはや罰ゲーム。

後日、丁重にお断りしたが、今思うと結構オモロい奴らだったのかもしれない。アーメン。


第四章      3年B組

偽長渕、非常識な男女、、
俺はまだまだ世界を見る視野が狭かったと思わされる出会いであったが。
今度は楽器店に新しいビラを貼りに行った時の出来事だった。
俺は前回の募集のビラを少し綺麗に書き直し、また新たなビラを貼っていると、、

「募集…来ないんですか?」
1人の男性が俺に声をかけてきた。
なんと楽器屋の店員である。

「いや、来たのは来たんですが、なかなか上手くいかずに…」
俺は苦笑いしながら応える。

店員の男は少し間を置いて
「僕達としますか?」

「え…。」
俺は少し戸惑ったが、なんだかドラマみたいな出会いに少し浮かれもした。
話を聞くと先日まで活動してたのだが、ドラムとギターが脱退して、現在はギターボーカルとベースとドラムは打ち込みで練習しているという。俺は少し自分と似た境遇の連中に親近感も抱いたし、その日の内にデモテープを渡され、話の進みも早いことから後日練習の約束をする。


そして家でデモテープを聴く。
まぁよくあるジャパニーズロック?みたいなやつ、ちょっとお涙頂戴系のね…。

俺も結構、熱血だし嫌いではなかった。
そして後日練習。無事に終わり、また練習。

少しの間、こんなバンドらしい時間が続いた。
ただ……嫌だったのは。練習終わりにやたらと一緒に居たがる。
ラーメン食いに行こうだとか、家で鍋しようとか、スケボーしようとか。コンビニでアイスクリーム食べようとか。。
そして大して面白くない話でバカ笑いする。

仲良しごっこみたいで凄く嫌な反面、向こうからすると、時間を多く共にしたから親友、仲間、絆、みたいな一番苦手なパターンに突入していき、バンドの練習自体も段々と熱血度が増してきた。

━━そして事件は起こる。
俺がギターを弾いてると、ボーカルが俺のエフェクターのツマミをグリグリ。
そして演奏がストップ。。。

「ニッキさ、もっと音作り込めよ」
と、ボーカル。

「うん。でもコレ、君が作った音だよ?」

そう。ボーカルが歌のイメージがああだこうだと言い。俺のエフェクターを並べてボーカルが思う様に作った音で俺は演奏していた。

「いや、そうじゃなくて!
             もっと自分でしろよ!」とボーカル。


「いや、意味分かんないよ。俺はコーラスとかリバーブとか、あんま好きじゃないのに、そっちがキラキラした音がいいって俺のエフェクター触ったんじゃん。」俺も引き下がらない。


そして、その日の練習は険悪な雰囲気のまま終了した。
そして、翌日の夕方ボーカルから電話で今晩会いたいという内容の電話が入り、仕事終わりに会うことに。

指定された公園で俺は待っていたら。
凄いビックスマイルでボーカルが公園に入ってきた。

ボーカルは斜め上を見ながら
「俺達、仲間だよな!!」
と唐突にキモイ質問……。

俺は
「うーん。そうだね。」
と、小さく返す。

そうすると、ボーカルはジャンパーの懐から缶ビールを2本取り出し。
「飲もっ♡」

……最悪の大嫌いなシチュエーション。
しかも、俺が下戸なん知ってるやん。。
なにドラマチックに仲直りしようとしての?
まじキモイわ……。3年B組見過ぎやろ。

俺のテンションはダダ下がりしたのと、コイツとはロックできねーわ。という思いで胸がいっぱいになった。

しかし、ボーカルの方はと言うと
「ぶつかり合ってもさ……。
        こうやって酒飲んで仲直りできるんだよ」
みたいな3年B組っぷりを炸裂。

冷めきってしまった俺は
「いや、ぶつかり合ったっつーか
       自分が作った音に、自分が勝手に不満爆発    させたんじゃん。俺はあんな音やだよ。」


そして、俺はこう続けた
「俺は君とは音楽出来ないよ。
       君が一生懸命な様に、俺も一生懸命だから   、お互い別で頑張ろう。」
俺は3年B組に別れを告げる。

それを聞いた3年B組は、ありえないほど取り乱し、仕舞いには
「お前の顔など二度と見たくない!!」
等と俺に言う始末。
これがさっきまで懐にビールを忍ばせてニヤニヤしていた奴とはビックリである。

そして、俺は好きな様に罵倒された翌日
友達にその一部始終を話した。

「バンドどう?」

「また、辞めた……」

「もう俺としよう!」


━━エピソード0━━━